2026-09-19
円形脱毛症:毛包は残るものの経過予測は難しい疾患です
円形脱毛症の原因と進行度に応じた治療選択肢を分かりやすく解説。ステロイド注射や外用薬、局所免疫療法、JAK阻害薬の特徴から再発の可能性、副作用まで、客観的な医学的根拠に基づき詳しくまとめています。

円形脱毛症はなぜ起こるのか、脱毛の範囲に応じてどのような治療を第一に検討すべきかを分かりやすくまとめました。「完治」をお約束する記事ではありません。

頭皮拡大画像で脱毛範囲や頭皮の状態を確認したうえで、治療方針を決定します。クリニックより提供された案内画像です。
円形脱毛症とはどのような病気ですか
円形脱毛症(AA)は自己免疫疾患です。細胞傷害性T細胞(免疫細胞)が毛包を攻撃することで、円形の斑状に毛が抜けますが、毛包そのものはほとんど破壊されないため、回復の可能性が残されている点が特徴です。男性型脱毛症や女性型脱毛症とは異なる疾患です。
頭皮全体が抜ける場合を全頭脱毛症、全身の毛まで抜ける場合を汎発性(全身)脱毛症と呼びます。英国皮膚科学会(BAD)の2024年ガイドラインでは、頭皮の脱毛面積が1〜20%を軽症、21〜49%を中等症、50%以上を重症と分類しています。
自然に治ることもありますか
経過の予測は困難です。ある追跡研究では、初診時に頭皮の20%未満だった軽症患者の多く(68%)が後に脱毛斑なしと回答した一方で、50%未満だった患者の一部(19%)は全頭型・汎発型へと悪化しました。自然に改善することもあれば再発することもあり、長期間経過した病変は回復率が低下する可能性があります。
このような変化がある場合は受診してください
・突然始まり急速に拡大している、抜け毛の量が急増している — 急速に進行しているサインです。
・斑の数が増える、または融合して広がる、眉毛やまつ毛まで抜ける
・爪の変形が見られる、または6ヶ月以上治療しても反応が乏しい
・脱毛により不安や抑うつを感じる、日常生活に支障をきたしている

円形脱毛症は不安や抑うつなどの精神的負担につながりやすいため、診療では頭皮だけでなく生活の質(QOL)にも配慮します。AI生成画像であり、実際の患者様ではありません。
範囲別の治療で期待できる変化
治療法は、脱毛範囲、年齢、再発歴を考慮して選択します。範囲が狭い場合は局所治療を行い、広い場合は全身に作用する薬剤を検討します。
小さな病変 — ステロイド局所注射または外用薬
脱毛部位にステロイド(トリアムシノロン)を直接注射する方法はガイドラインの第一選択肢の一つであり、軽症〜中等症においては外用薬よりも発毛率が高いと報告されています。ガイドラインの推奨では5 mg/mLから開始し(2.5〜10 mg/mLの範囲で調整)、1 cm²あたり約0.1 mLずつ病変部および境界部に均等に投与、6〜12週間隔とされていますが、実際の濃度や間隔は診察により決定します。
一般的に言及される発毛率は1970年代の過去の研究データに基づくものが多く、その研究でも再発が併せて報告されています。
ステロイド外用薬も第一選択薬であり、注射が難しい小児や軽症の場合にまず用いられます。完全寛解率は研究により20〜61%、治療中止後の再発率は38〜63%と報告されています。
急速に拡大する場合 — ステロイド内服(短期)
急速に拡大している場合や中等症〜重症の場合は、ステロイド内服薬を数週間かけて漸減しながら短期間使用することもありますが、長期連用する薬ではありません。
広い病変 — 局所免疫療法(DPCP・SADBE)
人工的に弱いアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす薬剤を頭皮に繰り返し塗布する治療法で、ガイドラインでは中等症〜重症に対して推奨されています。45件の研究(2,227名)をまとめたメタ解析では、通常型(斑状型)において何らかの発毛を認めた割合は74.6%、完全発毛率は42.6%で、全頭型・汎発型ではさらに低い結果でした。再発の可能性があり、実施可能な医療機関が限られているため、必要に応じて専門機関と連携します。
頭皮の半分以上 — 経口JAK阻害薬
免疫シグナルを遮断する内服薬で、ガイドラインでは頭皮の半分以上が抜けた重症例に対して承認された薬剤を推奨しています。バリシチニブ4 mgを36週間投与した2つの臨床試験では、頭皮の脱毛範囲が20%以下まで改善した割合はそれぞれ38.8%および35.9%であり、プラセボ(偽薬)の6.2%および3.3%を有意に上回りました。また、リトレシチニブも米国などで12歳以上の重症例に対して承認されています。
休薬すると再発しやすく、全身に作用する薬剤であるため定期的な血液検査が不可欠です。必要に応じて専門医と連携して診療を行います。
PRP療法 — 現段階では研究段階
PRP(多血小板血漿:自己血から抽出した血小板成分を注入する治療)はまだ研究段階にあります。32件の研究・621名を対象とした2022年のシステマティックレビューでは有効性の報告もあるものの、各研究の質が低く手法も不統一であるため、標準治療として推奨するには至らないと結論づけられています。
重要ポイント:円形脱毛症は予後の予測が難しく、自然治癒の可能性もある疾患です。そのため「完治」や「再発ゼロ」といった断定的な表現はできません。大切なのは、病変の範囲・年齢・再発歴に応じて、注射、外用薬、免疫療法、必要であれば専門医連携下でのJAK阻害薬まで、一人ひとりに合わせた治療計画を立てることです。
副作用と治療中の注意点
治療中、以下のような副反応や注意点が生じる可能性があります。
・ステロイド局所注射 — 注射部位の疼痛、出血、皮膚の萎縮や陥凹、色素脱失、毛嚢炎、毛細血管拡張が生じることがあります。長期にわたり過度に繰り返すとまれに全身性の影響を及ぼす恐れがあるため、診察時に状態を慎重に確認します。
・ステロイド外用薬 — 一時的な熱感、皮膚の萎縮、色素沈着の低下、毛嚢炎などが起こる場合があります。強力な薬剤を長期使用するほどリスクが高まり、小児ではまれに成長に影響を与える可能性があるため、期間を定めて使用します。
・ステロイド内服薬 — 減量時や中止時に治療効果が維持できない場合があります。
・局所免疫療法 — 意図的に起こしたアレルギー反応の強さを診察時に確認しながら塗布濃度を調整します。
・JAK阻害薬 — ざ瘡(にきび)、頭痛、上気道炎などの感染症、帯状疱疹が見られることがあり、血液検査値(筋肉酵素、コレステロール、血球数など)の変動により休薬や中止が必要になることがあります。結核などの重篤な感染症、血栓症、心血管疾患、悪性腫瘍、死亡リスクに関する警告がなされているため、65歳以上や高リスク因子の保有者には慎重に投与し、生ワクチンの接種は避けます。
・PRP療法 — 注射時の痛み、熱感、一時的な赤みや腫れ、軽度の出血、頭痛が生じる場合があります。長期的な安全性データは不足しており、血液凝固異常がある方や施術部位に感染がある方は受けられません。
よくある質問
Q. ステロイド注射を受ければ再発しませんか?
再発する可能性はあります。ガイドラインにおいても、いかなる治療法も常に永続的な効果を保証するものではないことを事前に説明するよう推奨されています。
Q. 子どもでも注射治療を受けられますか?
幼小児の場合は外用薬が第一選択となります。年長児や思春期以降の患者様で軽症〜中等症の場合は、状況に応じて局所注射を検討することがあります。
Q. 注射の痛みは強いですか?
痛みのために治療継続が困難なケースもあります。麻酔クリームの塗布や冷却スプレーなどの疼痛緩和策がありますので、診察時にご相談ください。
Q. PDRN(サーモン)注射も円形脱毛症に効果がありますか?
円形脱毛症に対するPDRNの有効性を示した信頼性の高い臨床研究は現時点で確認されていません。科学的根拠が確立されていない治療であるため、前述の標準的な治療に代わるものではありません。

ダーモスコピー(頭皮拡大鏡)検査で状態を確認したうえで、脱毛範囲・年齢・再発歴に応じて適切な治療法を選択します。クリニック提供の案内画像であり、施術の前後写真ではありません。
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診療時間 | 月・火・木・金 11:00〜20:00(休診時間 14:00〜15:00) 土曜日 10:00〜16:00 受付終了 — 平日 19:00・土曜日 15:00 休診日 — 水曜日・日曜日・祝日 |
アクセス | ソウル特別市江南区宣陵路429(駅三洞、KRタワー)6階宣陵駅3番出口より100m・徒歩1分 |
参考文献
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ガイドライン(1)は抜粋版を、4・5番は抄録を根拠として引用しました。本文中の数値は各研究条件下でのデータであり、個々の患者様の結果を保証するものではありません。本文に記載された注射濃度・間隔はガイドラインの推奨値であり、コルディアクリニック独自のプロトコルではありません。本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、医師の診察に代わるものではありません。
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