2026-10-31
髪をきつく結ぶと本当に脱毛になる?牽引性脱毛症の原因と回復の可能性 | 宣陵駅の脱毛クリニック
髪をきつく結び続けると、牽引性脱毛症と呼ばれる脱毛が起こることがあります。初期であれば習慣の見直しで回復の可能性があり、原因や症状、治療・予防法を解説します。

こんにちは。コルディア医院の代表院長、キム・ダジョンです。

普段から髪をよく結ばれる方であれば、一度はこのような話を耳にされたことがあるかもしれません。
「髪をきつく結ぶと脱毛になると聞きましたが、本当でしょうか?」
はい、髪の毛を繰り返し強く引っ張る習慣は、実際に脱毛を引き起こすことがあります。
医学的には、これを「牽引性脱毛症(Traction Alopecia)」と呼びます。
幸い、初期段階であれば、髪の結び方を見直すだけでも毛髪が回復する可能性があります。
今回は、牽引性脱毛症が起こる仕組みと初期症状、治療法および予防法についてご説明します。
1. 牽引性脱毛症はなぜ起こるのでしょうか?
牽引性脱毛症は、髪の毛が継続的に引っ張られることで毛包に機械的なストレスがかかり、発症する脱毛症です。
髪を強く結ぶと、毛髪を引っ張る力が毛包にまで伝わります。

このような刺激が繰り返されると、毛包の周囲に炎症が生じたり毛髪が傷んだりして、次第に毛髪の太さや密度が減少することがあります。
特に長期間強い張力が加わり続けると、毛包の周囲に線維化が起こり、永久的な脱毛へと進行することもあります。
2023年にJAMA Dermatologyに発表された論文でも、牽引性脱毛症は初期の段階では回復可能な非瘢痕性脱毛症であるものの、長期間続くと瘢痕性脱毛症へと進行することがあると述べられています。
2. どのようなヘアスタイルが脱毛を引き起こすのでしょうか?
牽引性脱毛症では、特定のヘアスタイルそのものよりも、毛髪にかかる力の強さと持続時間が重要です。
代表的には、次のような場合に注意が必要です。

髪を後ろに強く引っ張って結ぶポニーテール
頭頂部や後頭部にきつく固定するアップヘア
髪を細かくきつく編み込むスタイル
重い付け毛やヘアエクステンション
特に毎日同じ位置で髪を結んでいると、特定の部位の毛包に繰り返し刺激が加わることがあります。
髪を結ぶときに頭皮が引っ張られたり痛みを感じたりする場合は、過度に強い張力がかかっているサインかもしれません。
3. 牽引性脱毛症はどこから始まるのでしょうか?
牽引性脱毛症は、髪が引っ張られる部位に主に現れます。
代表的には、額の生え際やこめかみの周辺、耳の上側で毛髪が細くなったり密度が低下したりする様子が見られます。
初期には、短く切れた毛髪や頭皮の赤み、小さな炎症性の隆起などが観察されることもあります。
特徴的な所見としては、生え際の縁に短い毛髪が残っている「Fringe sign」があります。
ただし、生え際が後退する症状は女性型脱毛症や前頭線維性脱毛症など、ほかの疾患でも見られるため、正確な鑑別が必要です。
4. 牽引性脱毛症は回復するのでしょうか?
多くの方が最も気になるところだと思います。
牽引性脱毛症は、初期に原因を取り除けば、毛髪が再び生えてくる可能性があります。
英国皮膚科学会(BAD)によると、毛髪を引っ張る習慣をやめてから約3か月ほどで新しい毛髪の成長が見られることがあるとされています。
ただし、回復のスピードや程度は、毛包の損傷状態によって異なります。
一方で、長期間牽引力が続いて毛包が破壊され、瘢痕が形成されている場合には、自然な毛髪の回復が難しいこともあります。
そのため、牽引性脱毛症は早期に発見し、生活習慣を見直すことが大切です。
5. 牽引性脱毛症はどのように治療するのでしょうか?
最も重要な治療は、毛髪を強く引っ張る習慣をやめることです。
髪はゆるめに結び、結ぶ位置を変えたり、可能な時間は髪をほどいておいたりするのがよいでしょう。
また、頭皮に炎症を伴う場合には、医師の判断により抗炎症治療を検討する場合があります。
毛包がまだ残っている初期の牽引性脱毛症では、ミノキシジルの塗布が毛髪の再成長を助けるための補助療法として用いられることもあります。
ただし、すでに瘢痕性の変化が生じている場合には、薬剤だけで十分な回復を期待するのは難しいことがあります。
6. よくあるご質問
Q. 毎日髪を結んでも大丈夫でしょうか?
髪を結ぶこと自体が、必ず脱毛を引き起こすわけではありません。
大切なのは、強く引っ張りすぎず、長時間同じ部位に負担がかからないようにすることです。
Q. 髪を結んだあとに頭皮が痛む場合、脱毛が始まっているのでしょうか?
痛みだけで牽引性脱毛症と診断することはできません。
ただし、繰り返し痛みが生じる場合は、毛包に過度な張力がかかっているサインかもしれないため、ヘアスタイルを調整することをおすすめします。
7. 牽引性脱毛症は予防できる脱毛症です
牽引性脱毛症は、遺伝性の脱毛症とは異なり、生活習慣の影響を大きく受ける疾患です。
髪を強く結ぶ習慣を見直すだけでも、発症のリスクを減らすことができます。
特に、生え際が少しずつ後退したり、こめかみ周辺の毛髪が細くなったりする場合には、単に髪を結んだことによる現象なのか、ほかの脱毛症が併存していないかを確認することをおすすめします。
牽引性脱毛症において最も重要なのは、毛包に永久的な損傷が生じる前に原因を是正することです。
参考文献
Larrondo J, McMichael AJ. (2023). Traction Alopecia. JAMA Dermatology.
British Association of Dermatologists. Traction Alopecia – Patient Information Leaflet.
American Academy of Dermatology. Hairstyles that pull can lead to hair loss.
Syed HA, Kaliyadan F. (2025). Traction Alopecia. StatPearls.
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的として作成したものであり、個人の診断や治療に代わるものではありません。
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